今週は週明けから今日にかけて、全身のだるさ、熱っぽさ、こわばりと全関節の痛み、ハナ、喉、咳…と、風邪のあらゆる症状を、五日間で一巡した感がある。だから、週末を迎えると同時に、きれいに快復か、と思ってたら、現時点でまだ咳が止まらないのは、予想を裏切って我ながら落胆の情況である。せめて、この咳さえ治まれば、というところである。今、ここにこうしているときも、ちょっと気を許すと、げほげほへほ、と自分の意志に関係なく咳が出てくるのだが、あえて咳をしないようにじっと我慢をしたとすると、それがどうなるかというと、喉の奥から凄まじい勢いでうようよした痒みのようなくすぐったさのような気味の悪い感触が上がってきて、それが喉を執拗に上下するので、そのたびに喉がたまらず身悶えして苦しむ。それでも咳を我慢していると、ついにこらえ切れなくなった喉の奥が勝手に自分で自分を震わせて、喉そのものの声を出し始める。そうなると僕は自分は黙っているのに、口の中の、喉元の奥の方から勝手に他人の声で、ううーとか、ああぁーとか、ふざけたような言い方で喋り始めるのだ。ここまで来ると、これを自分の意志で止めさせることはできない。もう止め処も無く、ううーとか、ああぁーとか、ひぃーとか、自分ではない誰かの嘆きの声で唸り続けてしまう。それを止めるには、げほげほげほ、と咳込んで、全部、粉々に撒き散らしてしまうしかない。まったく、咳は厄介でございます。