寒さの中ひたすら歩く。歩くか。歩けるか。靴の裏側、足の裏、靴底の厚みをはっきりと感じている。ずっと歩いていることで足の裏の縦に鈍い痛みがあり、まるで自分の身体の一部と融合というか凍結して一瞬溶けたと同時にくっついてしまった冷たい外気と濡れた路面。会社の打ち合わせで遅くなって、それでも今日も泳ごうとしている。肺の奥から喉を伝って、声混じりにため息をついてみる。何度かやる。泳ごうとして、泳ぐと、ああ、泳いでいると思う。なぜか、と思う。腕と足がそれぞれしっかりと水を捉えているのが感じられるかどうか。体の奥の深い場所から発熱しはじめて動作中は感じられないが後からいやというほど体内全体が体温上昇しているのに無理やり服を着せておもてに出して家に帰すように自分を追い立てられるか。家で豆腐と春菊と芹がぐつぐつと煮えているのを食べただけなのに、でもちょっと食べ過ぎじゃないか、いやこれくらいでちょうど良かった。芹は美味いな。バランスよく消化にいいものでお願いします。