災禍


先週は、身の回りで色々なアクシデントが起きた。なにか得体の知れない不吉なものが、自分の身の回りを含めた周囲一帯を覆っているようにも思えたが、でもそれをなぜか、如何にも夏らしい台風の前日の大気のようなもののようにも感じていて、だから心細いとか不安とか恐怖とかはなく、単に明日の朝は電車がちゃんと走るのかを案じるくらいの気分に過ぎないところが、我ながら妙な感じだった。でもよく考えれば、このあと自分も周りも年齢がどんどん上がって、今後も自他共に色々あったして、それもいいことよりも悪いことの方が起こる可能性は高いのかもしれないなあと、当然といえば当然のことを考えたりもする。仕事でも私事でも同じだろう。とはいえ、ただ漫然と、舟が流れに乗って、進みたいように進んでいるだけだなあ、と。


床に寝転がって本を読んでたら、その内容とはまったく無関係に、なぜか唐突に、子供の頃の性欲の芽生えのような感覚が何十年ぶりかによみがえって、夢の中のように体内を広がったかと思うと、ふいに止まり、ゆっくり消えていった。思い浮かべたらまた思い出せそうにも思えたのだが、やってみたら無理だった。眠っていたわけではないのだが。


細雪」は渋谷の姉一家の家で台風に合う箇所。凄い。。