大きさ


皆で、安かろう悪かろうを絵に描いたような店に行った。昔の居酒屋で当たり前だったはずの、飲み放題つき何とかコースを大勢でワリカンするのが困難な時代になってきたのか。それとも昔からこんなものだったのだか、よくわからない。まあ、昔からこんなものだったのだろう。


駅に向かう途中、ちょっとこれ…と言うので、何?と思って見たら、すごい行列してる店の入口脇のショーウィンドウに料理の蝋細工の模型が並んでいて、何の変哲もないカレーライスとかスパゲティとか大衆洋食だが、その巨大さに驚く。一見して、え!?と思って二度見。というコテコテに典型的な行動が不可避なほど物量がものすごい。三人前とか、いや五人前くらい、そのくらいの量が巨大な皿の上に盛られている感じである。で、たしかにすごいねえ、でもこれ、この写真撮っても、この巨大さは写らないだろうねえ、と言って、ああ確かにそうかもしれませんねと。写真は、大きさそのものが、写らないからねと。


まあ、こうして文字で書いても、大きさそのものは伝わらないのだが。


というか、あれは、どうすれば伝わるのだろうか?どんなシチュエーションで、どんなメディアが適しているのか?あの「…うっ…」となる、あの見た目の一瞬の感じというのは。