迂回

信号機故障で千代田線が運転見合わせとのことで、夜八時半時点において帰宅路が完全に閉ざされる、が、まずは常磐線にて北千住まで行き、そこから伊勢崎線で別の最寄り駅まで行ける、しかしそこから歩くと自宅まではそこそこ時間は掛かる、が、まあ仕方ない。その駅は引っ越しする2006年までは毎日利用していたので、よく知っているといういえばそうなのだが、気づけばここを利用しなくなってすでに十年以上経つのだと気づいて、ええぇ、信じられないと思うが、その後もごくたまに利用する機会もあったけれども、こうして帰路の到着地としてこの駅に降りたつのは、まさに超久しぶりで、プラットホームの感じや、階段を下りていくときの感じなど、思わず声が出るほどなつかしい光景で、こういうノスタルジアなほど良さの年月というか熟成度合いとしての、十年という歳月は時間的にすごく適当だなと思った。

そういえばしばらく前にたまたま芸大の前を通りかかったとき、京成線の博物館動物園駅が一部公開していたことがあって、入り口からちょっとのぞいたことがあって、そのことを思い出した。この駅は僕が学生のときはまだ普通に利用できて何度か乗降したこともあった。もし当時京成線沿線に住んでたら、あのへんに行くならものすごく便利だっただろうと思う。というかその当時もやはり今と同じようにその手の運転見合わせはあっただろうけれども。

などと思いつつ、とぼとぼと歩いていつもの駅を通りかかったので、改札脇に寄って翌朝の改札で引っかかると嫌なので、そこだけ解除してほしく手続きを依頼したら、経路振替扱いで迂回した運賃を全部チャラにしてくれたので、わぁどうもありがとうございますと言った。