はじめての人と話すとき特有の、最初の数秒〜数分くらい、調整時間が生じるところが面白い。相手も同じように感じているのだろうけれども、つまり相手の感覚的ペースを知って自分を同調・同期させるところから始めるのが、意味や意志の疎通の前段階の、まるでラジオの周波数を合わせるような。それでも、日本語同士だし、電話した理由や目的などは共有されているので、もちろん対話は予定通りの結論に導かれる。あたりまえである。でも当たり前のプロセスを、軽い放心状態でいるもう一人の自分が見ていて、そのとき見ているものは面白い。


それにしても(前述と脈絡無しだが)、父が死んでからというもの、テレビで70代後半とか80越えの老人で元気そうな人を見るたびに、ちょっと驚いてしまう。すごい、信じられない、ものすごく元気だなと、飽きもせず同じことばかり言ってる。