内臓

横浜駅はなぜこう移動しづらいのか。平沼橋を行き過ぎてしまうと、もう二度と川の向こうへは行けないじゃないか。それにしてもなぜこうして定期的に内臓系の料理を食べたくなるのか。安くて不衛生な居酒屋の、長々と加熱されてとことん煮詰めに煮詰めた豚白モツ味噌煮込みから立ち上る湯気、新鮮なネギの香り、火のように赤く沈んでいく唐辛子の色。モツ料理、日本式だろうがイタリア式だろうが、それは美味しい。テイクアウトの電話したらランプレドットは完売…。仕方なくトリッパと白インゲンの煮込み、あと貝類の白ワイン蒸も。包みをぶら下げて急ぎ足で戻る。少し、雨が降ってきた。暗くて静かで、誰もいない交差点、寂しい世界になってしまった。僕はこれからホテルの自室に戻って一人で食事だ、食事は熱だ。お酒をのんでいるうちに楽しい気分になってくる。しだいに、まるで友達と一緒にここで話をしているみたいな楽しさが自身の内側に広がってくる。