Outdoors

朝から降ってた雨が上がったようなので、急いで図書館へ行くが、着く間際にまた降ってきたので、結局傘をさす羽目に。座れる場所が制限されているせいか、最近の図書館はいつも人が少ない。書棚の前で長々と立ち読みして、何も借りずに出る。建物を出たら雨は止んでいた。

日比谷野外大音楽堂CERO無観客ライブ配信"Outdoors"を観た。音のバランスがいい、それだけで聴いていて気持ちいい。ベースの聴こえ方、素晴らしい。

野音はもう十年くらい行ってないと思うが、映像で観ているだけでも、それは音楽というより夏…の疑似体験みたいな、不思議な印象を受ける。日が暮れていき、夜の闇があたりにたちこめ、さっきまでの空気が少しずつ締まっていく感じが、こういう感じはもしかしたら、今後はこのままずっと、もう二度と現実には体験できない、中継映像としてテレビモニターの中にしか、もはやあらわれない世界になってしまったのではないか、そんな一瞬の想像。とはいえ正直、四季を感じるなら、べつに自室でもかまわないじゃないかという気もする。毎週末の午後の自室でも。

無観客での演奏だと、演者もライブとレコーディングの中間みたいなテンションになるのだろうか、そんな雰囲気があった。演奏曲の選曲や並び方が、もう去年までとは違うフェーズにいる感じもある。CEROには「ワイルドサイドを歩け」とか「アトムの子」とか、フィッシュマンズとか、既存曲を誰にでもわかるようにはっきりと引用あるいは彷彿させる曲がある。サンプリングではなくこうして人力で引用するやり方。そういうのはべつに珍しいことではないだろうけど、CEROがやるとCEROならではの結果になる。CEROは旧来感覚を持たない人達の経営するベンチャー組織という感じがする。他と較べて、何よりも過程が違うという感じがある。