メガマック


メガマックとかいうのが新発売されたのは知っていた。先週末、電車の中吊り広告にでかい写真広告がぶら下がっていた。それを見て、その写真イメージの、ハンバーグが二重になっていてなんかものすごい重なっている印象のぶ厚い何かが、僕の内面に感受された。妻が「あんなのどうやって食べるのかね」みたいな事を言って、そのときは僕も「どうかね」みたいに適当にレスポンスしたような記憶がある。


この時点で、多分全然、僕の意識下に上がってくるほどのインパクトはなかったのだと思う。その筈なのだけれど、でも無意識下には洗っても落ちない程の強靭さで、あたかも生渇きのコンクリートに切っ先鋭き刃物で名前を刻むが如くに、僕の不揮発性メモリにメガマックは刻印されたに違いないのであった。


さらに運命の悪戯か、会社で軽い雑談が風の便りのように僕の耳に届く…マクドナルドのサイト落ちたらしいね。え!?落ちてないでしょ混み合ってるみたいな?メガマックすごいらしいね。サーバふーふー言ってるとか言ってないとか…。これ完全に噂で真偽の程は知らぬがサイトにつながり難い瞬間があったのは事実らしく、そうかメガマックがいま巷で猛り狂っているのかと頭の片隅でぼんやり認識したりもした。


でさっき会社の帰りにふらふら駅前のマックに吸い寄せられ思わず持ち帰りでメガマックくださいと言ったら店員の子がすいませんメガマック一日限定何個かでもう無いんですもうしわけありませーんと、もうこれ以上最高のセリフを言ったことがありませんってくらいの嬉々としたテンションで言われて、じゃあいいよ邪魔したな!っつって煮えくり返る腹を抑えつつ一目散に帰ってきて今これを執筆中である。畜生!!この内容を登録する!!!!…ああ!とりあえず俺いまものすごく大衆消費社会の申し子の気分だ。久々の感覚なのだが、なぜか知らぬが、社会にコミットした!感が、軽く火照るように体内に残っている…。知らぬ間に隠しようが無いほど欲望を煽られちゃって煽られちゃって、もはやメガマック喰らう以外の選択肢があり得ない受動的主体でしかなくなっちゃってやばい!ああ一度でいいから食ってみたいよーメガマック喰いたいよー。