「1969MILES」Miles Davis


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昨日から今日にかけて何度目かのマイルス病に罹った。もう貪るように聴いてしまう。そうじゃないときももずーっとトランペットのフレーズが頭の中に鳴りっ放しである。しかしマイルス・デイビスという人は、本当にひたすら同じ事ばっかりやり続けた人である。自分の頭で鳴り響いてるフレーズも、パターン的には数える程しかない。まあある一時期に限ったライブ盤ばかり聴いてるから当たり前といえば当たり前なのだろうけど。


上がるとか、下がるとか、ぷやぷや→ぷやぷや→ぷやぷや…とトリルしながら浮遊するとか、ぷっぱか←ぷっぱかスキップしてるようなときとか、ぷぇー↓っとやる気無さそうにしてる時とか、ぷー!!→ぴやーー!↑↑っと威嚇するとか、まあ大体、そんくらいの事を飽きもせず延々やってるのがマイルス・デイビスである。ライブ盤だとどのアルバムを聴いても大抵おんなじフレーズが出てくる。一応、毎回現場でその場のテンションに賭けてる癖に、結果びっくりするほど同じ事で済ましている。それは手癖でやってるとも言えるし、ものすごいマンネリズムとも云えるのだろうが、しかしそれが悪い意味にはならないところがすごい。っていうか、たぶんこういうマンネリズムというのがこの世の中で一番の美徳かもしれない。


「1969MILES」はかつての僕が一番最初にハマッたマイルスのアルバムである。一曲目のDirectionから四曲目のFootprintsまでメドレーで続くのだけど、今まで何回聴いたかってくらい聴き倒した。ここに出てくる全てのフレーズが、マイルスの持ってる全フレーズの半分くらいの分量である。(嘘です。そんな発言したら殺されます)…まだワウペダルでワウワウさせてない時代で、エレクトリックとアコースティックの中間地点のときで、でも音自体は野蛮な感じでアンプリファイズされていて、トランペットの音とかも荒々しく音割れしていて、その感触がすごく好きである。これのMilestonesとか、もう僕にとっては一番強烈なマイルス・デイビスのイメージなのです。