春らしい、というか文字通りそのまま。Spring
1965年
Anthony Williams 20歳
Gary Peacock 30歳
Herbie Hancock 25歳
Sam Rivers 42歳
Wayne Shorter 32歳
春らしさ。言葉の使いふるされたありきたりな感じが、書き換えられる。春野菜、という感じがする。苦味がほとばしるような、湿った土のような。
はじめてこの人のドラムを聴いたのは、当然60年代マイルス、プラグドニッケルのライブ盤。ボックスセットが発売されたのが、たしか1992年。フリージャズより、後期マイルスや本作や新主流派諸作品の方が、よほど取っ付きづらいところがあると思う、つまり60年代マイルスの難解さ。
グシャグシャ、ドシャメシャのフリージャズが好きだったし、森山威男のドラムが最強に好きだった頃で、いきなりあの「Wakin」のドラムを聴いて、呆然として戸惑った、しかし若かったので、そのまま何度となく聴いた。今でもあのハットの残響音が頭の中に響いてくるほどだ。
新しさと難解さが、セットになっていただなんて、古き良き時代であったのだ。まさに春野菜の苦味のような…。
(しかし、録音はAugust 12, 1965. …夏か。)