田山幸憲の「パチプロ日記」再読


はじめて「ヤフオク」を使ってみて、落札した。とはいっても、セリ勝って僕が見事落札、という訳ではなく、これだけ入札したら即決だよ、という金額が設定されていたので、そのようにしたのです。何を買ったかというと、田山幸憲の「パチプロ日記」5冊セット。実は全部読んだ事あるのだが、もう10年以上前の事で久々に読み返したくなった。


平成2年に書かれたシリーズ第一作目から読んでいて、溢れ出すような輝かしい日常の描写にたちまちのうちに恍惚としてしまう。この文章から溢れ出して来る豊穣な感じは一体何なのか?今の僕に、この豊かさに立ち向かえるだけの何かがあるだろうか?今の僕は果たして、これほど食い入るように些細な一点を見つめて、行為ひとつに神経を集中させるような事ができるか?いやたぶん無理。そのようなリズム感覚が、もう体から抜けてしまったのだと思う。