雪日前夜


午前中、ヤフオクで落札したTechnicsのSL-DZ1200-Sが今日届く。妻が「何これ!なんなの??」と詰め寄って来たので「マイナスイオンが出る」とか「一合からおいしく炊ける」とか言って誤魔化す。まあでも自分で買っといてなんだが、実際こんなのウチにおいといてどうするんだろう?という疑問はたしかに感じる…。


昼前に出かける。ギャラリー川船で「末松正樹 ペルピニアン展1944-1946」を観る。…ちょっと言葉にできないような素晴らしさ。とにかく今の自分にとってこれ以上に素晴らしいと思える作品はあまり無いかもしれない。観ていて、とめどもなくよろこびが溢れ出てくる。あの小さくて慎ましい素描からおそろしくたくさんの何かが汲めども尽きぬいきおいであふれ出して来るのだ。かつ、自分の「鑑賞体力」ともいうべきちからの不足を感じた。2〜3分くらいで集中度を低下させている事に焦りを感じた。もっともっと集中しなければいけない、そうでなければとりこぼす、一番こぼしてはいけないものをとりこぼしてしまう、という焦燥感を強く感じざるを得ないほどの、とてつもない作品ばかりだった。


その後、ブックファーストに寄ってから資生堂ギャラリーの岡本純一展、旧新橋停車場「現代絵画の展望〜12人の地平線〜」と続けて観て、2時半くらいになっておなかが空いてきたので銀座線で上野広小路へ移動し、仲御徒町までの地下連絡通路を歩いて吉仙へ。今週になってはじめての飲酒。お酒は昔から好きで、とくに30才を過ぎてからは3日間も飲酒しなかった事などおそらく無いと思われるので新鮮な経験。とは言っても、飲まない生活の感じ自体が新鮮という事で、久々だろうが何だろうがお酒の味わい自体はとくに新鮮とは思わず、いつものように美味しいというだけ。


寒い一日だった。まさに底冷え、という感じの寒さ。そして外光も薄暗くて陰鬱な感じ。でも冬らしい物寂しさがいい感じでもある。ちなみに今窓の外を見る限りではまだ雪にはなってないみたいだが…