ものすごく久しぶりに、蛇をみた。仕事で埼玉の山奥にある製造工場の大変綺麗に整備された舗装道路を歩いていて、やはり綺麗に刈り込まれて太陽の日差しを浴びて鮮やかな黄緑色を輝かせている芝生の広がりの上を、まるで黒い絵の具がチューブから噴出するかの如き勢いで、うねうねと僕が歩くのと平行して、そこには蛇がいた。あまりにも巨大で長い蛇で、そしてその蛇特有の動きもものすごく、あまりの気持ちの悪さに、全身をハンマーで殴られたような強烈な衝撃を感じた。自分の身体の、蛇に近い側の半分が麻痺したようになって、おそろしくてわなわなとしながらその場に座り込みそうになった。もちろんそこに座り込んだら蛇と僕との距離は今以上にあまりにも近くなるので、絶対に座り込んだりはせず、そこから離れることに必死になるしかなかった。


蛇。でかいし長い。太いし、黒くてうねうねと元気に生きてやがる。そして僕は呪いにおかけられたような気になって、しばらく心身共にスローダウンを余儀なくされた。