藤島武二


藤島武二の描いた朝鮮・台湾・中国の風景。藤島武二自身は、目の前に広がっている朝鮮の景色を見て「うつくしい」と思った。「東亜はなんとうつくしいのか」と。なんという独特で魅力的な文化をもつのかと。アジアの景色がわたしを解放する。想像もしなかったような地平が、わたしの中におおきく開けていくのだ。大東亜共栄圏、見果てぬ夢。アジアの団結と共存と反映。あたらしいイメージの獲得だ。いや共有だ。きっと、すべてがよくなって、皆がしあわせになるはずだ。この景色も、日本の景色も、皆に等しくわけあたえられた、我々人間の財産にほかならない。それを信じよう。だって信じないではいられないじゃないですか。目の前の景色が、こんなにうつくしいのだもの。藤島武二は1867年生まれ。1941年74歳のとき脳溢血で倒れ、その後療養生活を続けていたが2年後の1943年逝去。享年75。2年後には日本敗戦。占領。朝鮮・台湾・中国の風景、今見ても素晴らしいし国内の風景画も素晴らしいです。