uncontrollable


自分が思ったように動かないのはつまらないと思うときの、自分の中の物質的感触。自分がアンコントローラブルであるという感じは、思春期を迎えてからの苛々した気分とか焦りとか性的な感覚とか、そういうよくいわれる青春っぽい感じよりもむしろ、もっと子供の頃により強く感じられなかっただろうか。思春期なんてむしろほとんど妥協して上手く捌いてるだけではないか。やっぱり子供時代はすごい。昆虫的というか、いま遊びたいのに、いま冬眠中で動かないみたいな事がしょっちゅうあった。たぶん死ぬも同然のままで生きているのだ。自分の感情の展開が、自分の頭の中と切り離されて、そのまま距離をもって内側からその別人を眺めていた。子供時代に限れば、ほとんど死というのも経験としてだけなら一度か二度くらいはあるのかもしれない。寝ているときと、起きているときと、僕はすべて、自分が思ったように動かず、自分をつまらないと思っている、そのような身体の時代があった。