路面


帰り道がおそろしく寒かった。外気に直接触れている顔全面が、あまりの寒さでぴりぴりと痺れるように痛む。手袋をしているのに指先は感覚がなくなりかけている。爪先も相当冷たくなっている。歩く路上のところどころに雪の残りが、完全に透明な氷になって、てらてらと油光りのような、外灯や信号の光りの粘ついた輝きを反射しながら、まだらになってへばりついている。その上を踏まないように歩く。ちょっとした水飛沫みたいな、ぱっと飛び散った雪も、そのままで路面に化石のようになって凍っていて、これだけの量の氷がいつまでも溶けないのかと驚く。もう二日経ってもまだ路面が凍ってるというのは、日中もあまり気温が上がらないからだろうし、やっぱり今シーズンは、少なくともここ数週間は、例年以上に寒いんだろうと思う。