セザンヌ直後


乃木坂の国立新美術館セザンヌ展。金曜日が八時まで開館しているとの事で、五時半頃に入った。かなりじっくりと観ることができて良かった。…なかなか考えがまとまらないので感想はまた後日としたいが、そのとき感じている事を、今感じていると思いながら、しかしあとで忘れてしまうだろうとも感じている。それを決して忘れないようにしたいのだが、それは原理的に無理なので、ぬかどこを手でかき回すようにして、自分の記憶をひっくり返して、その絵を観ていたそのときの感触を思い出そうとしなければいけない。そこは努力である。自分に甘いいいかげんな態度ではダメ。誠実さと真剣さが求められる。セザンヌを観たら、セザンヌを観た直後を生きなければ観た事にならない。翌日は、セザンヌを観た翌日ということでなければならない。