先週読み終わった柄谷行人「倫理21」が、読み終わった直後はとくにそのまま、普通に読み終わった感じだったのだが、妙にあとから、じわじわ来ているというか、また色々と読み直したり、まだ読んでないのを読もうとしたりするかもしれない。


二月ももう半ばに来ているというのが、いくらなんでも早すぎるというか、先週が正月だったような気がするのだが、ちょっと世界的に、時間速度の異常状態が発生しているのではないかという気がするのだが…。


仕事も一部、いつまでも滞ってる一件が気がかりなのだが。


いろいろ、面倒ごとも手間もあって、どんどん忙しなくなって、騒がしい感じをさけられないのだが、でも片付けていくしかないのだろうが。


家から亀有まで歩く。寒空のした、病院の前の灰皿の周りで、タバコを吸ってるパジャマにガウン姿の人たち。ラーメンの店に並んでいるダウンジャケットのニット帽の人たち。自分が、この人たちではなく自分であるというのが不思議に思うようなことは、よくあることだが、それはでもなぜなのか。


関係ないけど、たしか一昨日、公園を歩いていて、子供二人がサッカーをしていて、逸れたボールがこちらに転がってきたので、それを蹴り返してあげたら、我ながら衝撃的なほど、そのキックはへぼかった。ボールは相手のいる方角から四十五度くらい違う方向へ転がっていった。それでもありがとうございますと言われた。


小学生のとき、二年から六年までサッカーをやっていたので、サッカーボールを蹴るという感覚自体は、自分のなかに記憶としてしっかりとある。これくらいの力で、こうして蹴れば、足の甲や側面にこういう感じの抵抗と衝撃が伝わり、反発して、意図した方向に、だいたいこのくらいのパワーとスピードで、ボールが飛んでいくという、その一連の流れ。でもそれはもう、現実にはそうではない。


じつは子供がサッカーをやっていて、逸れてこちらに転がってきたボールを蹴り返してあげるというシチュエーションが、たぶんこの十年で二回か三回あったはず。そのうちの一回が一昨日だったわけだが、そのいずれも、僕は「こんなはずではなかった!」という衝撃を感じているはず。


子供の頃、父兄とサッカーをしましょう、みたいな行事があったとき、おじさんがサッカーすると、なんでみんなこんなにかっこ悪いのかと思ったものだが、今や、ついに僕もそうなった。まあ、あたりまえですけど。そして、だからといって今からフットサルとかを始めるとか、そういうのは絶対にないとは思うが(とか言って、まあわからないけど。こういうのってある種の投げやりさから始めるものなので、その意味では何でも始めてしまう可能性がゼロではないのだろうけど。)


MOVIX亀有でウェス・アンダーソンムーンライズ・キングダム」を観る。笑ったり泣けたりという、安定の保証付きのウェス・アンダーソンという感じで、面白い。テンポがすごい。主人公の少年と少女がすばらしい。よくこんな感じにできるものだ。


タワーレコードで「矢野顕子忌野清志郎を歌う」を買う。国内盤CD高い!3000円。


歩いて家まで返る途中が強烈に寒かった。休みの三日間のうち、一昨日と今日は寒く、昨日だけがわりと暖かかった。天気は良かったが。明日以降、また曇ったり雨や雪だったりするらしい。あいかわらずか。


なんだかこのまま、だんだんバカになっていくのかなあ。


石にかじりついてでも、意地でも頑張ってやる、みたいな、そういうのが無いと、やはり死んでしまうのか。自分は、死んでしまってもかまわないが、それだとやはり、周りに不義理すぎるのではないか。それはやはり、ちょっとよくないことだとは思うので、周りのためにも、がんばったほうがいいのではないかとは、思っているのだが、まあ今は、ぐずぐずしているのだが。ぐずぐずする時期は、生涯のうち何度かある。十何度かくらいでもかまわない。その時期のことはすべて結構たのしい思い出ばかりなことが多い。