Public Image Ltd.のFlowers Of Romanceは昔から好きなレコードだった。当時、メタルボックスはあまりピンと来なかったのだが、Flowers Of Romanceは超・素晴らしいと思った。で、最近聴き返しているのだけど、音がなあ…という感じ。やっぱりデジタルRemasterされてる最近の音源じゃなきゃダメか。Jah Wobbleというベーシストの事も、これまでとくに、いいと思ったことは一度もなくて、それは僕の中に、こういうのを、いいと思う要素が欠如しているからなのだと思うが、でも最近なんとなく、やっぱりJah Wobbleって偉いんだなと理屈では思えるようになった。たしかにベースってこうだよな、と思う。ほんとうはベースって、現実はこうなのに、みんな誤魔化し誤魔化しで、もっともらしくやってるだけだ。それで、いい感じに音楽をやっているだけだ。Jah Wobbleだけが、ベースのどうしようもないベースらしさ、しょうもなさを露呈させているな。まったく、水滴のびっしりとくっついた壁をびりびりと震わせる、音の余震みたいに反響するその振動。今日みたいな、身体を蝕むような蒸し暑さのなかで、むさ苦しくて汚い音を、かえって聴きたくなるような。