雪がやんで、雨もあがって、買い物に出た。道に大量の雪が残っていて、あちこちで雪掻きしている人がいて、近所に住む、これほどたくさんの人々を見かけることは、こういう日でもなければ、なかなか無いことである。賃貸の集合住宅に住んでいると、日常生活において近隣の住人とのかかわりは滅多にないどころか、人を見かけること自体少なく、こうして色々な人を見かけて、みんな普通の人たちだな、結構、色々な感じだな、皆、ちゃんと常識的な雰囲気をもった人ばかりだな、普通の、自分と同年齢くらいの人や、若い人もいるのだな、などと思う。あたりまえのことかもしれないが、普段だと、ぽつぽつと、黒い影のようにして、老人しか見かけない。普段だと実に、黒い影のようにして、スーパーで買い物している人か、駅に向かって歩いている人の群像しか見かけない。群れから外れた、動きの無い人がいるとすれば、ベンチに座って缶チューハイを飲んでいるか、路上に寝ているホームレスだ。しかし、雪になって、どうなってしまうのか。僕は歩いて、履いている靴は防水性のおかげで雪を踏んでも、どんどん歩けるが、あと何日かはこのように歩きにくい日々が続くはずだ。こうして家から二十分くらい歩いた場所に酒屋があるのは良いが、雪が無ければどれほど行きやすいことだったかと、こうなってみると痛感する。ピノ・ノワールで安価でとても美味しい銘柄がわかると、そればかり飲むようになり、それを買えなければ心が落ち着かなくなってくる。今日もそうだが、図書館で最近借りる本が、食べ物の本ばかりになってきつつある。失敗だったのが、酒以外に、さっぱりとしたものを買い忘れたことだ。炭酸水か、果物を買えばよかった。でも重いのが嫌だし、グレープフルーツも158円もすると買う気が失せる。100円くらいでも美味しくないとがっかりだが。炭酸水ははじめから2ケース分をアマゾンで箱買いしておけば楽だが、あれを宅急便の人が、もの凄い重さの箱を必死に抱えて玄関まで持ってきてくれるたびに、どうにも気が引けてしまって、最近はどうも注文しづらい気分になってしまった。それは、自分ではどう頑張っても持ち上げることさえできないような重さなのだ。