朝の十時半頃に起きる。こんなに寝たのは久々。昼に出かけて、そばを食べる。荒川沿いを歩いて、図書館に行く。空の青さが尋常ではない。雲の質感を見ていると、それが溶けながら浮かんでいる空気の成分を感じる。北千住の喫茶店で、コーヒー飲む。千代田線で大手町まで行って、近代美術館でセザンヌの絵を観る。建物を出たらもう夕闇が濃くなっている。大手町まで歩くうちに暗くなる。酒を飲んで、帰る。夜の空に濃い白色の雲が高速で流れていき、満月が出たり隠れたりする。見上げていると、月が高速で移動しているようにしか見えない。





男性にとって性欲というのは、なくしてしまえば心身ほとんど動けなくなるようなものであるのか。まるで石油や炭のように、それ自体を直接手で触っても、汚くて無意味で、遊びのように火を焚きつけて、不満足な怒りだけを残すことになり、しかし男性は所詮それを燃焼させてかろうじて動くような機関であるともいえるのか。いくら年をとってもそれがぼやっと燐のように灯っていないことには、挙句の果てには食事もしなくなってしまって、考えたりおぼえたりもなくなってしまうのかも。