quintet


最近、一緒にランチする人が、いままで 二年近く二人で向かい合ってメシ食ってたのが、急に計五人になった。毎日五人集まってメシを喰うというのは、さぞかし賑やかなものかと思うだろうが、そうではなくて、むしろ二人のときよりも静かである。五人もいると、一つの話題を持続するのはかなり難しい。五人全員が一つの話題に参加している瞬間というのはほとんど無い。一人か二人が進めている会話を、残りの人間が黙って聞いてる、みたいな構図がほとんどである。で、それだとその会話が終了してしまうと、なんとなくずーっと長く静かになる。なんというか、そのあと次の話題を投入するべき雰囲気ではなく、ただ他人同士がだらーっとその場にいるみたいな雰囲気になる。これが如何にも五人編成独特の空気だなと最近いつも思う。もし二人や三人なら、対話の続く感じをずっと継続させようというモティベーションが皆に共有されるというか、この限られた時間内での物語のテンションを継続しましょうみたいな気分を支えあうような何かが生まれるもので、人によってはそういうグループ同調作用みたいなものが死ぬほど嫌だという人もいるだろうが、まあそれはそれとして、二人や三人というのはだいたいそういうものだと思われるが、これが五人となると、それはさすがに無理である。なるほどこれが、五人というものなのかと思った。飲みに行くパターンでも五人というのはあまり経験ないというか、いや、そうでもない。焼肉屋なんかだと、そういう人数はありうるのだけど、だからつまり、そういうことか。目的がそうってことで、つまり沈黙しててもかまわないというか、対話する単位では無いてことですかね。ほとんどクルーというか、スタッフと呼ばれるような単位ですかね。