呑み


昼過ぎまで仕事して会社を出た。桜木町の、競馬に行くおじさんたちが集まる立ち飲み屋で軽く一人祝杯をあげた。連日けっこう仕事して、帰りも遅くなるので、毎夜外食していたような感じだったけれども、木曜日に行った地元にある店はそれまでも何度か行ったことのある店だったのだが、その日はたまたまカウンターが僕だけだったので、店主と話をしてたら、僕とほとんど同世代だというのは前に聞いた気もしたけど、音楽の話になったら、とくに90年代に聴いてたものが、ちょっとびっくりするくらい、どの話もお互いにわかるので、うわー同世代、というか、同世代で大体同じような情報を仕入れて同じように音楽を聴いていたっていうのは、こういうことなんだなとあらためて思った。ほんとうに、そのバンド名とかそのミュージシャンの名前、その言葉を、誰かが口にしているのを、二十年ぶりに聞いたぞ!と何度も思った。そうそう!あの曲良かったですよね!みたいな話ではなくて、そんなことをよくおぼえてますね!という驚きというか呆れた思いの方が強かったくらいだ。なんか、こういう話も、十年前とかなら異様に盛り上がったのかもしれないけど、今だとむしろ微妙な気分になるというか、苦笑というよりほかない感じでもある。でも面白かったのでまた近いうちに行くだろう。昨日はまた別の店にちょっと寄ったら、店全体が常連さんたちの忘年会になっていて僕もそれに巻き込まれた。何か一言お願いします、と無茶振りされて、その場でいい加減に、ああだこうだ喋って来年もよろしくお願いします的なことを言って、ここ数年で、こういう適当なことを喋ることに自分は本当に慣れたなとつくづく思う。トークが上手になった、と言ってるわけではない。しかしいつのまにか、適当にもっともらしく無内容なことを喋ってそのことに平然としていられるようになってしまった。