運動


久々に、泳いだ。水泳は、行き始めると我ながら本当に熱心で、週に二度も三度も行くようなこともあるが、行かないと、ほんとうにぱたーっと、一年とか平気で行かなくなる。今日もいったい何ヶ月ぶりだろうか。もしかすると一年以上前かもしれない。(今調べたら、一年半ぶりだった。)


相変わらず、泳ぎ始めた直後の水の中では、泳いでいながら信じられないくらいの疲労と苦しみに全身がつつまれる。これほど苦しいことがこの世にあろうかと思うほどの、脳天から足の先までつらぬくかのような苦痛だ。それが、しばらく経つと、苦しさは変わらないままで、しかしなぜか、手も足も惰性で同じことをひたすら繰り返そうとし始める。苦しみのなかに、それを維持しつつ動き続けるための暫定領域が生まれるような感じで、そのなかの臨時エネルギーで運動が続けられる。そしてそれは、とりあえず目標とした距離を泳ぎ終わるまで燃え尽きないのだ。身体の不思議さというか、人間は自分の体内のエネルギーをコントロールして出したり引いたりの加減すら、まともには出来ず、何かそういうことを専門にやる体内の特別管轄のチームに任せきりの状態なのだ。


泳ぎ終わったら、さすがに疲労困憊で、シャワーを浴びるだけでもしんどかった。帰宅途中も、腕、胸、背中から腰にかけての各部位が「身体から取れそう」なくらい疲労している。そして全身が熱くて、とてもコートなんか着ていられない。まだ後ろ髪が濡れていたが、それが冷たい風に当たるのがさっぱりとして気持ちいい。電車では座れて、でも不思議なものでいつもなら数分もすると、うとうと眠りに入るのに、今日は、疲れすぎてるからかわからないけど、まったく眠気が来なかった。