サギ


白鷺。小川の浅瀬を歩いていた。ふわっと浮かんで、路上に着地した。しばらく歩いて、こちらに、背を向けている。動きながら糞をした。まるで柔らかい練り歯磨きのチューブを踏んだみたいだ。やや急ぎ足になって、こちらから遠ざかろうとしている。ばさ、と音がして、羽根が広がる。浮き上がって、無音で白い小柄な身体が目の前を横切って、高い木の上の枝に止まる。身体が木々の青い影に覆われて、木ノ実の一種になったように、しばらく動かずにいる。早くとも来月までは、この辺りで過ごすので良いだろうと考える。