Coopers World


スクエアプッシャーの人がベースを弾いて四人でやってるバンドのライブ盤がいい感じ。昔懐かしい「Coopers World」とかを生演奏している。スクエアプッシャーは、90年代に登場してからずっと、生演奏したい未練をそのまま丸出しにしつつ変にこじらせてすねた感じで、妙な作品を出し続けて、二十年近くたってもいまだにその未練の波間に漂っているような感じがするが、べつに楽器は楽器で、生演奏か打ち込みかどっちかを選ばなければいけない義理などないのだから、そんなの好きにすればいいのだが、でも音というのは、それを好きにできないところが人間というもので、そのどちらかを選ばなければいけないのではないか的な、いやそれを選ぶとか以前に音そのもののずれていく有様を年月の流れとはまた別に感じながら深々とそそり立つゴーストと戦うというか耕すというか雑草を抜くというか、そういう作業に二十年を使い切る人生というのも、きっとあるのだろうなあとも思うが、スクエアプッシャーが実際にどうだったのかは知らないというか、じつはそれほど熱心に聴いてたわけではないのだが、でも単純に「Coopers World」をライブバージョンで聴けるのはふつうに嬉しい。これは昔、ほんとうに好きだった。はじめて聴いたときは、おおーと思ったものだ。