Thank You for Talkin' to Me, Africa


Sly & The Family Stoneには、「Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)」という曲があって、さらに、「Thank You for Talkin' to Me, Africa」という曲があって、どちらも同じ曲だけれども前者のテンポをグッと落として只ならぬ雰囲気になっているのが後者という感じなのだけれども、僕が大昔にはじめて聴いたのは「There's a Riot Goin' On」の最後に収録されている後者のほうで、この曲はやっぱりすごく特別な感じが強くて、未だに「本気で聴いてしまう部分」が大量に残っているような感じがする。それを言ったら「There's a Riot Goin' On」全体に言えることだろうが。たしか、かなりスカスカな、打ち込み主体のアルバムだったよなあ・・などと思って久々に聴いたが、思ったよりもそのような感じはしなくて、とくにキーボードの仕事が素晴らしいように思った。そしてやはり、「Thank You for Talkin' to Me, Africa」が…。これはほんとうに形容しがたい。ほとんどふざけているとしか思えないというか、本気で壊れてしまっているというか、こういう凄味は、なかなかふつうは出ないはずのものだろう。聴いていて、前者「Thank You…」の感じが頭の中で重なってくるとき、その違いに胸の中が空になって血の気が引くような不安をおぼえるほどなのだ。