蝙蝠

自分が所属するチームのメンバーと他社チームとが合流して親睦会兼忘年会。我々が手前側の席に座り、相手側が奥の席で向かい合う恰好で乾杯する。じつは僕の場合、他社チームの皆さんと昔からけっこう親交があって、この人たちと会ってるときの方が、むしろ今のチームメンバーと接してるよりもリラックスできるというか、より自然な態度で過ごせるくらいのだが、それだとなんとなく今日の趣旨というか、役割からずれる気もして、おそらく登場人物として演じるべきは「こちら側」なのだろうから、そのことを意識しつつ過ごす。しかし相槌をうつときや笑いを催すときなど、ふとしたときにどうしても普段とは違うリラックス感が出てしまって、「あちら側」と接してるときのノリになってる気がする。別にそれでもかまわないというか好きにすればいいのだが、むしろ普段の「こちら側」の自分の態度や言動の質感にこれまで思ってもみなかった妙な違和感を感じている、そうなのか、無意識のうちに、都度スタイルを変えて微妙に調整していたんだな、でも、まあ、そりゃそうだろうな、自分の小賢しく修正の重ねられた輪郭を今はじめて目に見るようだ。