蝋梅


趣味は読書と音楽鑑賞です、の一日。近くのスーパーに買い物に出ただけ。しかしそれだけだとあまりにも運動不足なので、帰りは駅前からぐるっと遠回りして家まで歩いた。寒いけれどもいい天気で、一月の空気は澄んで張り詰めている。途中、大きな公園の敷地内を通り抜けるような感じで歩くのだが、園内にはいくつもの野球場があり、いつもなら草野球とか少年野球が大勢やっているのが、さすがに正月2日は閑散としている。


このへん、蝋梅の木がないかと思ってあたりを見回しながら歩いたが、どうも見当たらなかった。蝋梅の咲いている箇所と言うと、とりあえず図書館に行く途中に一本だけ木がある場所を知っている。それ以外の場所と言ったら、新宿御苑とか小石川植物園とかそういうことになってしまう。前は近所にも一本居たのだが、なんと数年前に引き抜かれてしまって、その跡地はブサイクなマンションが建った。


なぜ蝋梅かと言うと、昨日年始の挨拶にいった妻実家の玄関脇の廊下に、花瓶に生けた冬の草木が飾ってあり、靴を脱いでスリッパに履き替えた直後の、まだ暖房の暖かさがまったく及んでいない冷たい場所にほのかな蝋梅の香りが漂っていて、ああ冬だと思ったのだった。満開の蝋梅の花がちりばめられた枝で、ずいぶん早いというか、さすがに二月とか三月じゃないと普通は咲かないだろうけれども、咲きましたからと言って、花屋さんが持ってきたのだそうな。そもそも当方に、生け花を花屋に注文するなどという習慣が皆無であるが、こうして生けてあると、大変いいものですねと思う。でもウチの自宅の狭い室内に同じように置いても、サマにならないし、あまり風情もないだろうなとも思う。