明け方


夜中に目が覚めて、いったん体を起こした。いつ眠ってしまったのかおぼえてなかった。今、何時か。丁度サッカーの日本×セネガル戦がやってるらしいが、テレビはつけない。仰向けのまま、姿勢を調整する。再び眠りにつくのは時間が掛かりそうだ。眠りを待ちながら、手を伸ばしてスマートフォンを取り、いくつかの画面を見て、しばらくして枕元にそれを置いて眼をつぶって、静寂を聴くふりをして、しばらくして再びスマートフォンを取って、また明るくした画面を見る。それを何度かくりかえしているうちに、窓の外はもう明け方だった。そして、眠っているのかいないのかわからない時間が訪れる。いつの間にか妻が起きていて、活動を始めた音が聴こえる。僕はそのままでいる。やがてアラームが鳴って、いつもの時間が来たことを告げる。睡眠不足でぼけーっとした一日のはじまり。