久々に湯島のデリーでカシミールカレーを食べる。これを、かつての自分はくりかえしくりかえし、今までいったい何食、食べたことか。三年か四年くらいのあいだ、週に少なくとも二回、多くて四回は通って、つねにカシミール(ホット)を注文し続けたので、のべ数百食はいただいていることになろう。勤務地が変わってから、ごくたまにしか来れなくなり、前に来たのはたぶん一年以上前か、もしかすると二年以上前かもしれない。正直、すごく食べたいという思いよりも、あれってどんなんだっけ?という興味のほうが強い。で、食べたらまさに文字通り相変わらずで、これを食べていても懐かしいという感情はまるで湧いてこず、むしろ三年前とか四年前などという時間が、あっというまに帳消しになるというか、今があのときでもまったく不思議ではないという、これまでの時間の経過がまるで無かったことになる感が物凄かった。しかし、これはうまいけど、うまいというよりはほとんど依存系食品だなという感じ。食べて、ぷはーとなって、しばらくしたらまた、あれ食べなきゃと中枢の方から欲望指令が出るようになっているのだ。そのスイッチがまったく使われなくなっていて埃をかぶっているのをはじめて発見した。でもまあ、もうしばらくいいかな。やっぱりこれは、若者の食べ物だよなあ。