飲み会の女性7〜8人と自分の上司含む男性3人が、好きな漫画・アニメの話で死ぬほど盛り上がって話している。後から後から作品名が出てきて、あれはどうで、これはどうで、私はあれよりもなんとかのこれ系なので、こっちのヤツは全部見てます。あたしは何とかは昔は見てました。今は何とか系のやつだけです。あーそれって何とかと同系列ですよね、はいはいはい知ってます昔は好きでした、自分も春から観始めました、そうですそうです、いいですよねー私全部持ってます、そういう感じの宴が延々続いて場が醒めることもなくたいへん結構な雰囲気のなか、僕だけが蚊帳の外だった。誰かが何かのコンテンツの話をしていて、自分がその作品のことをまるでわからなくて、自分以外の人間は全員わかっている状況というのが、たぶんマジで生まれてはじめての経験だったかもしれない。話題に入れなかったことよりも、みんながそういう面白さの中に生きているということを、こちらがまるで想像もできてないという事実に驚いた。うわーそうか俺もついにここまで浮き上がってしまったのかと思った。でもこれはこれで楽だとも思った。人の言いたいことを理解できないというのは楽だ。