みれん

男二人で呑み会。この人とは、たしか連休前日と初日、あと先月も会って呑んでるはず。多すぎる。しかし、なぜかやたらと誘いが来る。同一の人間と、用もないのに二度も三度も会ってメシを食うというのは、いったい何事か。仕事でもなければ恋愛や親睦交歓でもない、完全なる空虚、目的の無意味性、ほとんど不条理劇の登場人物ような気分になってくる。悪いけど、君には正直うんざり、もう顔も見たくない、はっきりそう書いて連絡したはず。え?またEさんと一緒なの?って、妻も呆れてますって。でも、そこまでしても言われた相手は怯まない。自分と会うのに飽きたとしても、ワインには飽きてないんでしょ?ならいいじゃないですか、とか何とか言い返してきて、強引かつ強硬な態度で迫ってくるのだ。もう、いやになってしまう。で、結局、こうして会ってしまって、一緒の時間を過ごしている。ああ、あたし、ばかだって思う。いちばんダメな女のパターンのやつだ。断ればいいのに、でもそれが出来ない、その一言が言えないの。