悲しき渋谷

真夜中にものすごい雷が鳴っていたけれども、一夜明けたら素晴らしい快晴、しかも空気は爽やか。「悲しみは」って…、もしかして、こんな青い空のことを、言うのじゃないかしら…。

Mさんリミックス2019版、今年も素晴らしかった。「半分燃えた蝋燭、埃だらけの家具、回る扇風機と二十歳の私」の下り、いい。少しざらついた生活感、そう、たしかに若いときの感触がこんなだったと、勝手に想像されてしまうような、イメージ喚起のすごい伝導率。

渋谷のHMV&BOOKS SHIBUYAという本屋+CDショップにはじめて行ったら、いよいよ自分たちがこの場にそぐわない、まるで場違いな二人としてここにいるという実感を、ひしひしと味わった。とにかく自分ら以外の人間が、みな若い人たちばかりで、我々はたくさんいらっしゃるお嬢さんたちの保護者様お二人でしたっけ、みたいな感じになった。渋谷をもともと好きなわけでもないし、あまり来たこともないのだが、そういう自分側都合とは別の、根本的な「はからずも迷い込んでしまった」感。しかもそれが、よりによって本とレコードを取り扱う店にて、というところが余計に複雑な思いをかきたてる。その後で上野に移動したら、心身をつつみこむような磐石のホーム感がものすごかった。