若い女

今日、私は自分のやりたいだけしか仕事せず、あとは優雅に過ごしてさっさと帰宅しようと思ってたのに、蓋を開けたら全然そうならなかった。あらゆる仕事が、ほとんどベルトコンベアで流れてくるみたいに、ぜんぶこちらに襲い掛かってきて、それらを夢中で掴んだり投げたりしているだけで、一日が終わった。結局いつもの二倍も三倍も働かされて、夜になって虚脱感とともに会社を出るだけだった。

でもそんなことは、どうでもいいのだ。私が年齢をかさねていく、今はそれだけを、日々感じ続けている。まいにち働いていても、心の中には、そんな日常とはまったく無関係の、寂しい風がしずかに吹いているような気分でいる。

これから若い女でなくなっていくことを、私が今、自分の身体を土台にして、こうして実体験しているのだ。それは私自身の体験なのだ、とても現実的で、即物的で、救いのないものだ、でもそれは同時に、なぜか不思議に甘い感傷をともなってもいて、まるで、かなしくひたむきに恋する気持ちが、うしなわれるのを陶然と見ているだけのような感情で、しかも、日々の雑事に追われれば追われるほど、そのせつない甘美なものが、いっそう胸に迫ってくるのだ。