なぜ

今日もまた飲み会…。しかし前日の睡眠が効いて体調は良好、少し厄介な業務上の連絡事項がわりときれいに片付いたのもあり比較的軽快な気分で有楽町へ向かう。

コーネリアス「あなたがいるなら」は、「なぜ?」という問いかけからはじまる。この曲は、恋愛感情を歌っているようでもあり、そうでもないようにも思えるが、いずれにせよ「あなた」に対する、わたしの冷静ではない思いがテーマになっていることは間違いないだろう。

「あなた」について思うというとき、それは往々にして無根拠で非論理的な思考になる。他ならぬあなたでなければいけないという理由が、客観的には無くて、あくまでもわたしによって一方的に決定つけられたものでしかない。それはある対象への強力な転移であり、そのことに、このわたし自身が驚いているというか、私自身にもどうしようもない制御不能な思いとしてあたえられてしまっている状態といえる。そのような状態をテーマとした歌は多い。恋愛の歌にも色々あるだろうが、このわたしの制御不能状態の表現として恋愛が歌われるときなら、歌詞の中に「なぜ?」という問いかけが含まれるだろう。含まれなかったとしても、問いかけのかたちを採らない形式は考えにくいだろう。そこには最初から回答があたえられてないが、問いを発する本人もそのことはよくわかっている。しかし、どうしようもなく問うしかない。その無根拠ゆえの切実さを、そのままあらわすしかない。

「なぜ?」という問いかけを含む曲として思い出すのはローリン・ヒル「Ex-Factor」だ。この歌の登場人物はただひたすら苦しみ悶えていて、ほとんど官能状態と見紛うような感情の只中にある。ふだん英語詞を丹念に見ることがほとんどないけど、この曲だけは歌詞を追いかけたくなる。"Tell me, who I have to be"とか"Forces you to scream my name"なんていうフレーズに、いちいち泣ける。(ありふれた、つまらない言葉だろうとは思いますが、でもそこがいいのです。)

 

Cornelius 『あなたがいるなら』If You're Here - YouTube

Lauryn Hill - Ex-Factor (Official Video) - YouTube