週刊めぞん一刻

先日から読んでる「めぞん一刻」は、何十年ぶりかの再読だが、久々の蓋を開けたら、予想外というか、意外に面白くないというか、読むとそれなりに引っ張られることは毎違いないので、その勢いで読み進むことはできるのだが、もっとどんどん先へ行きたい、続きを読みたい、と思うほどでもない。週刊連載の漫画っってまさにこういう感じだよなと、それはリアルに感じられて、じつに毎度毎度同じようなことばかりが繰り返されて、この単調さこそが恋愛コメディというジャンルの手触りそのものだと思う。それにしても誤解して、和解して、頑なになって、相手を無視して、悩んで、ちょっとだけ打ち解けて、それでよろこぶか、でもある瞬間には、大きくラインを踏み越えて急接近して、と思ったらまた元に戻って…こういう「恋愛」というか、こういう「距離感の調整」というか「相互観察」というのが、果たして今でも、リアルなのか?は、もはやよくわからない。昔は、それこそ三十年前は、たしかに多かれ少なかれこんなものだったような気もするのだが、今やさすがに、互いのふところというか思惑を探り合う男女が、こんな悠長な時間の使い方を共有することは無いんじゃないか。たぶんきっと、ないだろうなあ…と思うのだけれど、それでも漱石のこころとか三四郎みたいに、これらの恋愛物語から、今でも何か掬い取れるものはあるだろうか、と、そんな思いで読み始めたつもりだが、今のところ、どうだろうなあ…という感じだ。