ドタキャン

有給取得予定だったのを、前日の今日になってやむなくキャンセルした。有給の事前キャンセルが、自分は多すぎる。休みの予定を合わせた妻はいい迷惑であろう。これで妻は白紙になった予定とともに一人休暇の翌朝をむかえることになるわけで、まことに申し訳ないかぎりではあるが、それならそれで、ぜひひとりの時間を楽しんでいただきたい、せっかくだから、ふだん行かない場所に行ってみたり、無意味に贅沢したり、気兼ねのない時間を惜しみながら、一つのことに心ゆくまで耽ってみたり、なにしろ何でも良いから遠慮なく勝手な時間を満喫していただきたい…などとも思うのだが、そういうのは大抵こちらの勝手な思い込みの投影なので、現実の相手は必ずしもそんなふうにこちらの都合の良いように考えてくれるわけではない。

相手が勝手気ままに楽しんでいるのが、こちらとしては満足であるという考え方そのものが、根本的な欺瞞を含むものだろう。相手の勝手な楽しみをこちらが先取りして把握できているという幻想のもとに成立するものでしかないのだろう。私の知らない妻を私は許容するというツッコミどころ満載のへ理屈だろう。

ある気がかり、ある不安、ある不可解、ある未解決、のような何かを、適当な落ち着きどころへ落とし込んでひとまず仮解決にしておきたいという打算がある、自分の仕事をきちんとコントロールできてないことへの負い目を、そちら側のフレームにすり替えてお茶を濁したいという横着さもある。