徒党

昭和二十年から三十年代までの同人誌を調べたら、おそらくおびただしい数の誌名が出てきて、おどろくほど著名な作家がそれらに参加しているのを確認することもできるだろう。文芸における同人誌とか、美術における公募団体とか、戦後における団体化の運動は、これはおそらく必然だったのだろうと思う。それだけ政治が各人にとって生々しいものであり、徒党を組まずしては立ち向かえないほどの何かだったのだろうと思う。それがそれ以降も、昭和という時間を変わりなく通底した。その後期に僕の世代も位置するわけだ。徒党の力をお互いがはかり合って、お互いがお互いを詮索の視線で見合いながら、ひとまずかりそめの協定を維持する。そういうのが昭和的なふるまいだった。同じ組織にずっととどまっているのは、きっとあまり良いことではないだろう。