知己

必要があり終日、昔の古巣みたいな場所で過ごした。誰もいない、狭いスペースで、リモートで他所とやり取りしながら業務を進めた。別のフロアには古い知り合いもいるし、途中ドア越しにちょっとだけ顔を見せてくれた誰彼もいたけど、無言のジェスチャーの挨拶だけで失礼してしまった。そのあと、あらためて彼らの席へ訪問することもしなかった。そのことにとくに理由はないけど、用事がすんで、ことが終わったら、場を片づけて、さっさと撤収してしまった。あー、ごめん、久々の彼らに、一言挨拶だけでも交わせばいいじゃないかというところだが、結果的には、全部はしょらせていただいた。すいません。なんとなく、どうも皆さんと話すときのいつもの自分の準備が出来てない。それを、ほんのわずかな時間の合間に感じた。ああ、自分が君らに対して閉じてると思った。そういうものなのかなと、久々であるとは、こんなにも戸惑いのあるものだっただろうか、たぶん前はそんなことなかったのに、みたいな…、まあ、でも、それはそれ、近いうちにいつかまた、とか、心に思いながら、まただらしなく時間制限なく、だらだらやろうよと思い浮かべながら。そんなもんじゃないでしょうか、そういう日もあれば、そうじゃない日もあれば。