大規模な駅では複数のプラットホームが密集していて、その地下あるいは高架上に駅構内があって、商業施設など密集したそのスペースから目指す出入口に向かうとき、それは複数ひしめいている駅ビルデパートの出入口を兼ねているので、改札を出てから地上へ出るまで、かなり長い距離を歩かされることになる。

ある程度以上大きな駅だと、利用客はそのようにあらかじめ設計された各方向の出入り口へ導かれるばかりで、たとえば駅の周りを一周するといったような勝手な歩き方はできない。壁の反対側も隙間も裏道もない。昔で言うところのガード下のような空間は、すっかり隠蔽されている。そのかわりかどうかわからないが、複数店舗が一か所に寄り集まったフードコート的な場が設けられ、ガード下的な雰囲気が偽装されている。

近い将来、上野駅ガード下の店も二木の菓子もその他の店舗も、アメ横ぜんたいがまるごときれいに無くなって、同じ屋号の並ぶフードコートが駅ビルの地下フロアにおさまる日も来るのか。