夜、Eさんと上野で待ち合わせる。すし屋に電話したけど出ない。そもそもあの店で当日予約なんか無理だろと思い直し、やはり上野は撤退しよう、北千住に逃げようとなる。急遽候補とした店に電話したらOKだった。それどころか珍しく店内がら空きだった。おかげでゆったりくつろいで過ごした。メニューのあれこれも注文したくなり、上から順に言うから量的にオーバーなところで止めてくれと言って、サービスのお姉さんに料理名を次々と読み上げていったら、想定の半分のところで「いやいや、おーい」とノリ突っ込み的に止められた。まあそりゃそうだ。高校生じゃあるまいしそんなに食えるわけない。でもEさんは微妙に不満そう。いやいや行けますって、大丈夫だと思いますよと、いつまでも未練がましい。

よくEさんとのみに行くけど、二人でどんな話するんです?両者にどんな共通の話題があるんです?と聞かれることがたまにある。意外な組み合わせの二人と思われることも少なくない。なぜ?と聞かれて、まともに答えられたことがないし、答えるのは難しい。たしかにEさんと僕のあいだに、共通の話題はないし、一緒にいて話が盛り上がるわけでもないし、何らかの意識を共有しているわけでもないだろう。会う必要はとくにない。ひどい言い方かもしれないが、原則として僕はどんなときもさほど彼に会いたいとは思ってない。おそらく彼もそのような認識ではないかと思う。