YMOのTECHNODON(1993年)は、もしこの作品がなかったらどうだったのか。YMOの歴史的にこの作品は、良くも悪くも欠かせない何かだったのではないか。すくなくとも90年代、これがなかったらYMOの歴史は完全に途絶えたことになるので、たしかにいつかどこかで再活動する機会はあったとしても、90年代初頭の段階であれを踏まえていたことの意味は大きいのではと思う。

ただ僕が個人的に「ああ…久々のYMOだ」と感じたのは、TECHNODONよりも坂本龍一が手掛けた2001年の「ZERO LANDMINE」のプロジェクトだったりする。あの曲における高橋幸宏細野晴臣の仕事が、どこまでもループするYMOサウンドのようで、その上をさまざまな音楽的意匠があらわれては消えて次々と連なる。この生演奏のテレビ中継を当時見たし、今もyoutubeで見ることができるけど、当時の回線や同期技術のせいもあるだろうけど、とくに冒頭じつにヒヤヒヤで危なっかしくて、ある意味これぞasync的という感じ。

https://www.youtube.com/watch?v=iCgSll8mEO8