東京スカイツリーに登りたいとは思わないが、ずいぶん前に、自宅からあの塔を目指してひたすら歩いたことがあった。途中で東向島にある東武博物館に寄ったりもしつつ、半日掛かって、最終的には業平橋駅あたりまで歩いたのだった気がする(浅草まで行った?おぼえてない、さすがにそこまでは行けないか…)。しかし当時スカイツリーはまだ作りかけで、全体のまだ三分の二くらいまでしか出来てなかった頃だと思う。だとすればもう十年近く前だろうか。そんな昔とは思えないけど、そのくらい昔のはずだ。今日は久しぶりに東武伊勢崎線に乗った。押上駅に来たことが過去あったのか今日がはじめてなのかは記憶にないのだが、仮に来たことがあったとしても、そのときからこんな風に新しく作られて賑わった駅ではなかっただろう。塔のふもとは人混みで溢れていて騒がしい感じだが、駅を離れるにつれて、なかなかいい感じに落ち着いた街並みがあらわれる。適度に古く適度に昔からの商店などもあり適度に新参店もある感じだ。そして今日は何よりも天気が良かったので散歩には絶好の日だ。ああこれから、季節が春になってさらに夏へ向かうだなんてほんとうのことだろうかと思う。ふと見上げれば、巨大すぎて無粋きわまりない感じの銀色の柱が、視界を覆うように聳え立っている。我々は今この塔のすぐふもとにいるのだ。この塔はどう贔屓目にみても美しくはない。塔という建造物の有様として過去の歴史を鑑みてそれを畏れようという気持ちがほとんどないように思われる。かと言ってそのような歴史に対することさらの反抗でもない。そういう側面での自意識を全く欠いた塔として、只そこに在るという感じだ。でもかえってそこがいいのかもしれない。そのへんのカフェに入ったら店内でけっこういい曲が掛かったので、コレ何だっけと思ってshazamしたらベックだった。ベックはほんとうにいい曲多いな。しかしきちんとまとめてアルバム単位で聴くということがない。ベックがデビューしたのは90年代半ばで、その頃はずいぶん聴いたけど、最近はまるで聴かない。でも最近の曲もすごくいいのだ。こうして偶然の一曲を聴くだけでよくわかる。あとホンダの自動車のCMで、どこかで聴いたことある曲だなと思ったら、先日の代官山に出てたSIRUPの曲だと言う。ホンダのCMに起用されると、売れるかもしれないというか、たしか Suchmos もそのパターンだった気がする。さてどうだろうか。