いちばん良く利用するコンビニでは、自分が商品を何ももたずにレジに近づくと、店員が自動的にホットコーヒー(R)の紙コップを持って待ってるようになった。だからもし何か別の商品を買いたいならば、あらかじめ手に商品を持ってることがはっきり見える状態でレジに向かうように心がけている。

最近スーパーでの買い物はセルフレジで会計することが多いので、商品のバーコード位置を探すのにも慣れた。だからコンビニのレジ会計のとき、バーコードが相手に見えやすい角度で商品を渡すようになった。ときにはこちらがかざした商品に店員が直接バーコードリーダーを当ててくれて、レジに着いてから電子決済完了まで数秒で済むこともある。

逆にうっかりしていて、チャージ残高が不足していたりすると、その場で現金決済に変更するわけだが、そうなったときの精神的ダメージは甚大である。ほとんど事故を起こしたかのような、絶望的失態を犯したような思いに駆られる。

あわてて鞄から財布出して、小銭だの札だのを数えて、そんなとき自分は、この世でもっともドン臭いモタモタした人間に思えていたたまれない。その恥じ入る思いや苛立ちは表情や態度にあらわれるのかもしれず、そんなとき、いつもの店員の声色は、妙にやさしい調子に聞こえる。そんなに苛つくなよ、くよくよするなよ、たかが会計に何を焦ってるんだ、おまえ、ちょっと病気じゃないのか?別にゆっくりでかまわないんだから落ち着きなよ、と呆れられつつも労わられている気がする。