葬儀場を後にして、小岩駅からの乗り換え順をスマホで調べると、バスで金町駅まで移動してから常磐線に乗るルートが最短であるとのこと。なるほどそうなのかと、ちょうど出発前のバスに乗り込んだ。ニ十分かそこらで金町駅に着いた。

地図で見ると、バスは中川と江戸川に挟まれたまり柴又の町を通り抜けるように進んだのがわかる。電車だけで行くなら、どうしても川を渡らなければならない。

映画のおかげで、葛飾柴又は東京「下町」というイメージが定着しているが、あれは映画の都合で、本来なら東京の下町は上野や浅草のことで、葛飾区はその範疇ですらないと思ったほうがいい。そんな話自体がいまさらどうでもいいことだが、葛飾区の暮らしとは東京的なものではなくて、あくまでもこの地の暮らしということだっただろうなと、バスの車窓から夜の街並みを眺めつつ思った。

外をよく見ようと思ってメガネをかけてみた、が、あまり面白くもないので、すぐに外した。