「世界」


世界 [DVD]


DVDにて。なかなか難しい映画だという印象…とっかかるところがとても少なく感じられる。決して退屈でもつまらないという訳でもないのだが、何とも捉えがたいし、今何を書けば良いのかもよくわからない。とりあえず探り探り書いている次第。


世界公園という舞台の中で、各登場人物がそれぞれ哀しくなるほどてんでばらばらに移動し、うろつき、交差したり離れたりを繰り返すという事の有様を独特の質感で展開させており、ひとつひとつの要素も面白いしとてつもなく豪勢で奥行きのある映画だと思う。


この映画でチャオ・タオが演じているタオはとても魅力的な女性である。あのロシア人と、言葉も通じないのに友達だといって信頼関係を作っていくのはとても泣ける。というか最初から最後まで、結局何も判ってないのでは?というようなやり取りで、結局最後に泣きながら抱き合うくらいしか出来なかったけれど、でも友達だと。友達というのはそういうものかもしれない。確かに。…それに較べてチェン・タイシェン演じる恋人のタイシェンは、ちょっと女にだらしがないというか、肝心なときにがっつき過ぎでイマイチだが、それでもこの男も無茶苦茶いいヤツである。ちょっと立場が上だからなのか、皆の事を心に留めて、ちゃんとした態度で振舞っている。嫉妬深いしイマイチ信用できない感じもあるが、仲間が事故に会えば怒りと悲しみを露にするし、タオが居なくなったら一生懸命探すだろう。やっと見つけて「人の家に居るのは快適か?」などと平静を装って聞いたりもするのだ…というか、皆忘れがたいほどいいヤツであった。ぐーーっと縮小版エッフェル塔のエレベータを上っていくと、若い警備員が犬食いで飯を食っていて、ペットボトルを挿し出せば水を入れてくれるだろう。


北京という都市も中国だし、三峡も中国なのだろう…でも、正直ちょっと想像もつかない世界だ。テレビ中継されれば10億人がお前らの踊りを観るんだぞ!と重役のおじさんが言っていた。10億人かぁ。。実際、この映画を観て何がどうとか、まあ正直よくわからないというのが率直な感想。でも面白かったです。