「Aman Iman: Water Is Life」Tinariwen


アマン・イマン〜水こそ命


ミュージックマガジンが年間ベストアルバムという毎年恒例の特集をやっていて、そこに載っていたものの中から幾つか買った中の一枚。Tinariwenを僕は初めて聴いたのだが、最後まで聴いてみてとりあえず結構、感動に近い衝撃があった。おぉーなるほどー!!と思った。高い評価を受けるのもうなずける。Tinariwenについては、実はしばらく前からすごい気にはなっていたのだけれど、こういう音のグループだというのは聴いて初めて知った。じゃあ何が気になっていたのか?というと、単に「見た目」が良さそうな感じだから。アフリカ民族衣装にエレキギターの組み合わせがエラクカッコよさげだったというだけなのだけど。。でもまあ、その裏に感じていた期待の正体は、要するにまっとうなブルースマン美学に裏打ちされたサウンドへの期待だったと、音を聴いた今だとあっさり思える。


聴いてまず思うのは、とにかくギターがすごく良いという事。音も素晴らしいしフレージングもいちいち良い。まったくクールでスカスカな構築の楽曲でありながら、何か熱くさせてくれるものがある。今時、エレキギターが最高!と思えるような新譜にはめったにお目にかかれないと思うが、これは素晴らしい。というか、もはや楽曲全体がこういう事になってないと、ギターは良く聴こえないのだ。もう今はそういう時代なのだ、とも思う。非常にシンプルで古めかしいようなブルースのレコードの感触がいっぱい含まれているのだが、そういう生々しさがもはや、英語ではない言葉をのせた明らかに西欧の大衆音楽とは別のメロディに乗っかって奏でられなければ鮮度を保てないのかもしれないとも思えて、少し複雑な気分にもなるのだが。なんか簡単に手放しで"これ最高!"とか言いたくない気分も感じてしまう。ちょっと上手く行き過ぎなんじゃないの?とか嫌味を言いたくなる感じもある。聴きやすくてとっつき易い感触か?というと、それはさすがに、そうでもないので、僕なんか甘口嗜好なところがあるので基本的には"向いてない"系なのだが、さすがにこれは、しばらくは何度か聴くと思う。