I Need You So Much〜Runaway *


ハウスの四つ打ちビートが人を魅了するのは、その持続するリズムに果てがないからだ。いや、勿論いつか音楽は終わるのだけど、でもそれが鳴り響いているうちだけは、果てがなくて、永遠に続くかのように聞こえる、という事だ。まったく切断面が見えず、その予感すらしない状態という事である。とにかくそれは、延々と音楽の下の部分いっぱいに広がっている。上の部分は、箸にも棒にもかからないような手垢にまみれた最低の歌謡メロディがいい加減につなぎ合わされながら鳴り響いているだけだ。


全体がとても意味のないむなしい事のように思われるのだが、でもそのむなしさを一旦無かった事にしてしまうと、それが良いのだ。それは最初からわかっている事をわざわざ最初から経験し直すことの楽しさとも言える。